ロケ先でいただいた、抱えきれないほどの旬の恵み。これはぜひ,新鮮なうちに味わいたい。
————————
くつした企画が2014年度より制作しております屁理屈系アイドル映画『幼きカミの似姿』。
今年度も撮影が始まります。
この撮影でお世話になるロケ地の一つが,札幌市南区にあります黒田農場さま。
札幌にありながら,三方を山に囲まれ,綺麗に澄んだ川を擁した別天地のような農場です。
こちらにご挨拶に伺った折,たくさんのほうれん草を頂きました。ありがとうございます。
力強い旬のほうれん草が,45リットルビニール袋にいっぱい。
これは絶対においしい。
しかし,お浸しばかりでは芸がございませんし,何より新鮮なうちに食べきることができない。
何とか,一気に調理する方法はないものか。
あった。ありました。新鮮なほうれん草をたっぷりと使えて,存分に堪能できるお料理。
今回は,ロケ先より頂いた恵みを存分に味わうべく,炊き出しとしてはほんのちょっぴり採算度外視の特別編でございます。
—————————
サグチキン 10人~15人分ほど
<材料>
ほうれん草 45リットルビニール袋に一杯
鶏もも肉 2キロ
玉ねぎ 大2個
にんにく 1玉
しょうが 1塊
トマト缶 2缶
食用油 少々
1)ホールスパイス
クミンシード ひとつかみ
2)粉スパイス
コリアンダー ひとつかみ
ターメリック 2分の1つかみ
韓国唐辛子 2分の1つかみ
フェネグリーク 小さじ1から2
3)仕上げスパイス
ガラムマサラ 2分の1つかみ
塩
<当日の作り方>
・たまねぎはみじん切り,にんにくとしょうがはすりおろしておきます。
・鶏もも肉は一口大よりやや大き目くらいに切ります。(塩とガラムマサラを軽く揉みこんで下味をつけてもよいかもしれません)
・鍋に油をひき,1)のクミンシードひとつかみを入れて中火の弱火にかけます。
・クミンシードがぱちぱち音をたて始めましたら,たまねぎを入れます。
・たまねぎがしんなりしてきたら,すりおろしにんにく・しょうがを入れ,少々炒めてなじませます。
・なじんだところに鶏もも肉を入れ,表面に火が通るくらいまで炒めます。
・2)の粉スパイスを加え,全体になじませます。
・トマト缶を全て入れ,鶏肉がやわらかくなるまで40分から50分半ぶたで煮ます。
・その間に,ほうれん草ペーストを作ります。大きめの鍋にお湯を沸かし,塩を足して薄めのお吸い物くらいの塩加減にします。
・そこにほうれん草を入れ,根元がやや硬めくらいの煮加減でざるにとり,水をかけて荒熱をとった後,よく絞ります。
・茹で上がったほうれん草を適宜切り,フードプロセッサーでペースト状にします。
・鶏肉が好みの煮え具合になったら,ほうれん草ペーストを加え,塩を加えて味を調整します。
・最後にガラムマサラを加え,ひと煮立ちしたらできあがり。
※ガラムマサラについて
当方は辛いものが苦手なため,市販のガラムマサラを用いるとどうしても香りよりも辛さが強く出てしまって困ります。
そこで,いつも簡易版自家製ガラムマサラを用いております。
コリアンダー 2
シナモン 2
クローブ 1
ナツメグ 1
カルダモン1
このくらいの割合で,パウダーを混ぜ合わせたものです。
<当日の供し方>
・各々食べたい分だけ皿にご飯を盛り,カレーをかけていただきます。
—————————
本来『サグ』はほうれん草で作るものではないらしいのですが,ここでは日本で浸透している呼称を使わせていただきました。
フェネグリークのほろにがさと香りがほうれん草に良く合い,大変おいしいカレーです。
ほうれん草を味わうため,あえて乳製品を用いませんでした。
今回はインド料理屋さんで買ってきたナンを添えましたが,ご飯にも良く合います。
さらに写真では,簡易版の副菜2品,ライタとたまねぎのアチャールも添えました。
たまねぎのアチャールは,
横に2つ割りした後,繊維に沿って千切りしたたまねぎに韓国唐辛子粉と塩,砂糖,レモン汁を同じ割合であえて少し置いたもの。
ライタは,
ヨーグルトにきゅうりとはじめとしたありあわせの生野菜を切って加え,クミンパウダーと黒コショウを振って混ぜたもの。
大量のカレーを食べていただくべく,急遽集まってくださった皆さんに振舞った今回のメニュー。
炊き出しとは少々異なる趣ではありますが,それなりにお得な値段で畑の恵みを存分に味わったのでした。