ハレの炊き出し その3 オードブルはアメリカ式

posted in: タキダス | 0

パーティなどのハレの時の炊き出し例シリーズ,最後を飾りますのはオードブル。
口あけ,というやつですね。
手頃な素材,卵を使ったアメリカ家庭料理の定番。…なのだと人伝えに聞きました。

『デビルドエッグ』15~20人前

卵 20個(100円ショップで12個入りパックを見つけて興奮しました。130円でしたけれども。)
玉ねぎ 半分くらい
フレンチマスタード(洋がらしではないほうが,マスタードシードの香りが立っておいしかったです。)
すし酢

こしょう

<当日の仕込み方>
※卵は傷みやすいので,いつも当日調理を心がけています。

・卵を塩をくわえてお水から13分から15分ばかりゆでて固ゆでとし,冷水に取って殻をむきます。
・むいた卵を縦に半分に切り,黄身だけをボウルにまとめて入れます。
・半分になった白身は,あとでその形のまま用いますので崩さないように取り置きます。
卵を切る際,糸を使って切るのもよいのですが,『糸を白身に食い込ませる初手で失敗する恐怖』に耐えられない向きは,果物ナイフを使う事をお勧めいたします。
白身にナイフを突き立て,黄身の周りを刃先で探るように一周させればOK。
そう。あれ。アボカドを半分にする時と同じ要領です。
・ボウルに入れた黄身にみじん切りにした玉ねぎとすし酢,フレンチマスタードをくわえ,黄身をつぶしながら混ぜ合わせます。
味付けの勘所は,甘酸っぱいペーストを目指し,最後にフレンチマスタードでコクを足すという感じでしょうか。
例えるならば,『生真面目なマヨネーズ』みたいな味。
・ぼんやりとした味の輪郭を塩で引き締め,最後に割と不安になるくらいの白コショウをくわえます。
この胡椒の香りと辛さが,『デビル』たるゆえんだと信じたい。そういつも思います。
・黄身ペーストと白身をそれぞれ容器に詰めておきます。

<供し方>
・白身に黄身ペーストを戻し,『味付き黄身入り半分ゆで卵』をつくります。
・平たい大皿に盛り付け,緑の野菜などをあしらいます。
・好きなだけとってつまみます。

黄身のコクがマスタードの香りとお酢の酸味で引き締まり,後味に胡椒の香りが残るという,お子様向けの形をしているのになかなかオトナな味わい。

本来,黄身の甘酸っぱい味はピクルスの汁を使うとのことで,自宅ではたまさか用いますが,いかんせんピクルスは単価が高い。
そこで,すでに甘い味のついた酢,すし酢を用いてみました。
でも,そうするとピクルス汁っぽい香りが味わえませんので,せめてもの演出としてディルシードをくわえたりすると,けっこうそれっぽくなっておいしかったです。
1ポーションが卵半分,という手軽さと,あまり見かけない物珍しさで,値段の割には好評をいただくことの多いメニューでございます。

最大の問題は,味付けした後の黄身はカサが増えるので,元の鞘,つまり白身に全部入りきらない場合がままあるという事。
しかしこうして余った黄身ペーストは,実は食パンに挟んだりすると大人ぽい卵サラダサンドウィッチになるので,
あまり深刻な問題にはなりませんでした。