死者に関わるメニューを

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先日開かれた,とある企画のオーディション。
前回はその際に,企画内容にゆかりの深いメニューを炊きだした,というお話でした。
今回は2回目。
前回はハイチ料理でしたが,今回はエジプト料理。

ちょっぴり見た目が良くないのですが,個人的にはとても好きなメニューなのです。

ババ・カヌージ 10~15人分

なす 8~10本(今年はナスが高いですね。
でも,やはり個人経営の八百屋さんに行きますと,不揃いのものが12本入りで140円ほどで売っていたりするから嬉しくなります。)
練りゴマ ひとビン(100円ショップで売られているチューブ入りのものを2つ使うと丁度よかったです)
無糖ヨーグルト 1パック

レモン汁(100円ショップで売っているレモン果汁を使いました)
クミン (パウダーの方が良いと思います)
チューブにんにく

<前日の仕込み方>
・なすと塩以外のものを全て混ぜ合わせます。
ヨーグルトを多めにするとさっぱり夏向きに,ヨーグルトを少なめにすると濃厚な味になります。
・最後に塩を入れます。塩を入れると,一気にゴマのコクやヨーグルトの酸味と甘みが立ってきて,
味のバランスが変わりますので,好みの味に仕上げます。
・個人的には,口に入れた瞬間にふわりと香るくらいクミンを多めに入れた方が好きです。

・なすのヘタの周りにくるりと包丁で切れ目を入れておきます。
・魚焼きグリルか,油を敷かないフライパンで,中まで火が通って柔らかくなるまで焼きます。
・熱いうちに頑張って皮をむき,中身をボウルなどに入れ,
だらしなく固形部分がやや残るペーストになるまでフォークなどでつぶします。
・なすとソースを合わせて,スプレッド状になるまでよく混ぜます。
・ラップをかけて冷蔵庫で冷やしておきます。

<当日の供し方>
・クラッカーなどに乗せてもいいと思います。

見た目は水で溶いた粘土のようですが,
ゴマのコク,ヨーグルトとレモンの酸味,にんにくの穏やかな風味とクミンの香り。
そこから甘くて香ばしいナスの味がにじみ出てきて,なんだか異国の味がします。
ナスが柔らかくなじんでいる方がおいしいを思いますが,つぶし加減はお好みでどうぞ…
にんにくは生をすりおろしてもよいのですが,炊き出しの場合はにおいがのちのち気になったりもしますので,
あえてチューブ入りを使っております。

個人的には,ご飯に載せて,しょうゆを垂らしてひと混ぜして食べるのが好きです。

ハイチにエジプト。
どちらにも『死』にまつわるロマンチックというか,神秘的な信仰や伝承がついて廻ります。
今回はそう言った,『死』にまつわるイメージをさりげなく炊き出しに反映させてみました。