連続ロケ。
しかも,メインキャストがあまり変わらない類のロケ。
会話劇だったり,予算的に場所と役者さんを限定せざるを得ない場合だったり。
同じ場所で,同じ顔合わせにての撮影が続くと,
『撮影は本当に順調に進んでいるのだろうか?』
『気が付いたらお値段そのままで拘束時間が2倍になったりするのではないか』』
といった一般的な不安から,
『あいつは実は自分が嫌いなんじゃないのか』
『あいつは自分の尻を狙っているのではないか』
『自分以外はすべてグルで,最終的に陥れられるのは自分ではないのか』
などの行き過ぎた疑いまで,
下手な密室サスペンスの台本以上に練られた展開が待ち構えているようなこともままあります。
炊き出しもまた然り。
いくら温かい食べ物でも,3日同じようなカレー味のものが続いたりすると,
スタッフやキャストから『またカレー?』という声が聞こえて来ます。
いや。聞こえずとも伝わってくる気がします。
いいや。絶対にそう思っているに違いありません。
頭の中のゲルマニウムに,彼らは直接電波を送って来ているに違いないのです。
そんな電波に打ち勝つべく,目先の変わった『ごはんにかける系』のメニューを用意し,
モチベーションを盛り上げてみたい。そんな日もあります。
こちらのメニュー,物珍しい割には『ルー主体』。
つまり,具が少なくても大丈夫な,お得な料理です。
『ソーセージと鶏肉のガンボ』20~30人分
・鶏胸肉 600グラム
(冷凍物なら,グラム30円前後のものもあるのがうれしいところです。経験的底値はグラム16円。)
・ソーセージ 300グラム
(スモークしてあるものが良いかと思います。後述の理由から,量が少なめでもOK。)
・玉ねぎ 3個
・ピーマン 1袋
・セロリ 1株
(筋が多くて緑色のものが安いうえに,この料理には香りが強くてぴったり。経験的底値はひと株98円)
・オクラ 4袋
(旬の時には2袋で98円,などという時も。冷凍のものでもOKです。)
・小麦粉 適量
(薄力粉のほうが良いです。)
・サラダ油
・コンソメキューブ 3つ
・塩
・カイエンヌペッパー
(なければ一味で十分です)
・ごはん
<前日の作り方>
1)ソーセージ・鶏肉は斜め薄切りに,ピーマンとセロリ,玉ねぎはあらみじんに刻んでおきます。
2)お鍋にサラダ油と小麦粉を入れ,中火よりやや弱火にしてへらでかき混ぜ続けます。
ルーを作るわけです。作り始めの目安は,『水浸しの校庭』くらい。油多めのほうがミスがない上に,さらりと仕上がります。
3)30分。かき混ぜ続けると,使い古しの10円玉くらいの色になります。そこで,みじん切りの野菜をいれ,かき混ぜます。
4)玉ねぎが透き通ったころ,鶏肉とソーセージも加えます。
5)鶏肉に火が通ったら,少しずつお湯を足して,ひたひたになるまでルーを伸ばしていきます。
6)コンソメキューブと少しのカイエンペッパーをくわえ,塩で味付け。
7)おくらの小口切りをくわえて少し煮ると,できあがりです。
…これで,前日までの仕込みは終了。
<当日の供し方>
お皿にガンボをたっぷりと盛り,浮き身のようにご飯をのせてまぜながら食べます。
お好みでタバスコを振るのもおいしいと思います。
『炒った小麦粉の香ばしさ』がメインで,オクラのとろとろが追い打ちをかける,なんとも不思議な食べ物。
香ばしさがあとを引きます。実は『スープ』扱いの食べ物のため,濃厚なのでごはんが少しで満足感があるのもお得。