『炊き出しに使えそうな海外メニュー』の幾つか。
今回は2つ目の御紹介です。
イギリス料理はまずい,というお話をよく耳にしますが,
正確には『外食で外れなくイギリスの料理を選ぶことが難しい』
であって,
イギリスの食文化自体はとても豊かなものであるということを,当方は常々感じております。
外食でおいしいものを食べるという視点からすれば,
自分たちの国,つまり日本も同じ状況である気がするのです。
共に,外食ではなく家庭食を基点に食文化が作られている。そんな印象でございます。
とまれ,
今回は安い素材で大量につくることのできる素敵なイギリス料理の御紹介です。
コテージパイ 10~15人分
ジャガイモ 1キロ
合びき肉 1キロ(牛ひき肉だけの方がコテージパイらしいと思うのですが,合びき肉が安いのでこうしました)
玉ねぎ 3つ
冷凍インゲン豆 4袋(輸入物の方が圧倒的に安いです)
コンソメキューブ 1~2個
小麦粉
塩
こしょう
ウスターソース
マーガリン
牛乳 1リットルのもの1パック
コーヒー用のミルク いくつか(打合せの時に入ったお店で,コーヒーについてきたものを使わずに持って帰り,使っています。
なければ100円ショップものでも)
<前日の仕込み方>
・玉ねぎは荒みじん切りにします。
・フライパンにサラダ油を熱して玉ねぎを炒め,透き通ってきたらひき肉をくわえます。
・ひき肉に火が通ったら,塩コショウ,ウスターソースで味をつけます。
ウスターソースはよく火を通して酸味を飛ばし,『あれ?何で味つけしたのかわからないけれど複雑?』という感じに持っていくといい感じでした。)
・冷凍インゲン豆を凍ったまま一口大に切り,その中に投げ込んでかき混ぜます。
・隠元が溶けたかなあ,といったところで,少しずつ小麦粉をふり入れながら混ぜます。
小麦粉が全体に行きわたったころ,少しずつ水をくわえてとろみをつけて行きます。
・コンソメをくわえ,それが溶けたら火を止めて,オーブンに入れても大丈夫な器にまんべんなく広げておきます。
・ジャガイモをさっと洗い,ビニール袋に入れて少しの塩を少しの水を入れ,
電子レンジで芯に火が通るまで温めます。
・熱いうちに皮をむき,つぶします。(着にならない場合は,皮ごと行ってもいい感じでした。)
・マーガリンを足して溶かし混ぜ,さらに先ほどのひき肉炒めの上に塗りつけられるほどの粘度まで牛乳を混ぜます。
・塩コショウで味付けをします。
・ひき肉炒めの上にまんべんなく残らず塗り付け,オーブンで表面に焦げ目がつくまで焼きます。
<当日の供し方>
・温めて,大きめのスプーンで各自の皿にすくい取って食べます。
甘みの少ないきりりとした合びき肉の味が,ふんわり甘い表面のマッシュポテトと合わさっておいしいです。
これ一品で食事になるのもありがたいところ。
マッシュポテト部分は軟らかめがお勧めです。
あとはカップに粉末スープを入れてふるまえば,寒い日の炊き出しにも使えそうです。
ウスターソースは,本来『リーペリンソース』という,元祖ウスターソースを用いることが多いようですが,
酸味を飛ばせばどうという事はないようです。
あと,前日炊き出し方式として嬉しいのは,オーブン料理であるところから平べったい容器を用いる必要があるため,
非常に収納がしやすくてかさばらない,というところでしょうか。
質実剛健なイギリスらしいお料理。
もともと炊き出しのために生まれたのではないかと思うほどでございます。