札幌芸術祭きどり2014 その5
Sapporo Art Festival Affectation 2014 Part5
出品作品
おめでとうございます！
あなたの作品は「くつした好み」という曖昧な基準を見事パスいたしました。
今回の「合格」があなたの今後の創作活動にどのような影響を及ぼすかはわかりませんが
まずは祝おうではありませんか！
作品名：ちんぽ分類学入門
作者名：札幌おちんちんレディース
作品概要：札幌で長年風俗産業に従事していた作者が，その事例経験から提唱する『男性器と，それをお持ちの方の体型・性格とには因果関係がある』という説。それを俳画で表現した，臨床研究と諧謔の融合。
評：『おちんちんは持つ者の性格を表す』という，膨大な事例研究から導き出された説の『独自性』と，日本有数の繁華街『すすきの』がその背景となったという，『札幌らしさ』。そして，それを何故か俳画で表現すると言う，よくわからない方向性。この3点に，くつした企画は心の底からときめきました。
作品名：うろ覚え発明家の軌跡
分類：立体展示および壁面展示
作者名：後藤和夫
作品概要：『醸造』『永久機関』など，関心を持ったものを一切調べることなく，自身の経験則だけで何となく研究を続ける，札幌市在住の在野の発明家。その成果と解説。
評：『絶対に調べたりせずに我流を押し通して研究を続ける』という態度。札幌の地で，『思い立ったら何となく研究する』というスタンスで活動しているという姿勢。しかも公に広く発表するわけでもなく，あくまで自分自身のためだけに発明しているというスタンス。この，あくまでも社会を相手にしない精神に，くつした企画は心震わせました。
作品名：小鳥の花入れ
分類：立体展示
作者名：太田 萌
作品概要：小鳥をモチーフにした花入れです。お花が頭部になるイメージでつくりました。活けるお花によっていろいろな小鳥の表情が楽しめます。内側は健康的なピンク色の内臓をしています。
評： 妙に有機的なのに優美なフォルム。そしてその内側に隠された，何故か必要以上に丁寧な作りの内臓部分。その上，しっかりと実用性を兼ね備えた骨太の作り。実用性と奇妙なこだわり。札幌の地で育まれた両者のバランスにとても惹かれたくつした企画です。
作品名：足付き花器・足付きキャンドルポット
分類：立体展示
作者名：太田 萌
作品概要：どんな物でも、人体の一部を付属させると、その物に感情移入してしまう、という不思議な感覚を表現しました。特に足というパーツは動きを連想するので、躍動感が生まれます。また、花器というフィギュアにより、「動きそうな無機物」と「動かない有機物」というコントラストの演出を計りました。キャンドルに火をつけた時、歩き回ると危ないので、ちゃんとお座りしている良い子です。
評：可愛い，というにはあまりにもリアルな足。そしてそれが見せる豊かな表情は，生活感すら伺わせます。そして，その奇妙な部分も計算に入れた申し分ない実用性。この，『ちょっと変わったことをしてみました』をはるかに突きぬけちゃった説得力が，選考の理由でございます。
作品名：いさちゃん・他
分類：立体展示
作者名：西山省一
金属工房 ガルフ
所在地：北海道江別市大麻430番地
TEL: 011-387-5757
FAX: 011-387-5562
HP : http://metal-gulf.com/
作品概要：
作りかけの猫、蛍、鮭のパーツがお互い引き寄せあうように合体しました。
評：『特に制作意図が無い』という，『コンセプチュアルさ』とは遠くかけ離れた姿勢。さらに工芸品としてのあらゆるニーズを無視したような姿。芸術と商業どちらからも距離を置いた，エアポケットのような作品であることにくつした企画は心惹かれました。
作品名 ：『脳裏』
当該作品イメージ図・別作品（参考資料）
分類：立体展示
作者名：中井あすみ
Twitter：asumos
ブログ：http://s.ameblo.jp/zettonvs
Facebook：https://ja-jp.facebook.com/asumi.nakai
作品概要：上京したことをきっかけに、作品本人の心に浮上した、故郷である北海道への愛、葛藤、信仰心を具現化したものである。北海道に対する客観的なイメージではなく、故郷として作者の意識下の中に存在する北海道の神像である。首の毛は雪虫、6本の手は白樺とタラバ蟹、尻尾は狐になっており、女性の身体は作者の幼女性と郷愁を意味している。
神像として制作したものであり、展示時にはマルセイバターサンドやシソ焼酎など北海道の特産物を供えることで、無病息災、事業繁盛、五穀豊穣を祈る。
評：北海道を離れた道産子が，故郷への思慕・信仰を表すために，独自の信仰の対象を作り上げてしまったと言う姿勢。しかもその姿が，伝統や歴史に裏打ちされているのではなく，北海道の漠然としたイメージのコラージュによって生み出された異形であるということ。『自分の中だけの北海道を形にしたらとんでもないことになってしまった』この事実が，くつしたの心をつかんで離しませんでした。
■特別招待
作品名：裸体劇
分類：パフォーマンス
作者名：裸体役者そして裸術家 シャンプー
Facebook：http://www.facebook.com/shampoo.theater
Twitter：@shampoo_theater
メール：shampoo.theater@gmail.com
Male Act Project ～N-aked～ 活動ブログ
http://mapnaked.blog33.fc2.com/
作品概要：『脱ぐプロセス』と『男性の裸』の美を主題に，音楽と体一つで物語を紡ぐ無言劇。
裸体役者が独自に培ってきた，唯一無二のパフォーマンス。
評：無言劇の形式で裸体をテーマにしたパフォーマンスを繰り広げる，という，日本の正統派ストリップを彷彿とさせる構成の独自性。今まで見たことのないそのパフォーマンスに，くつしたは驚き，惚れ込みました。