緊急速報 ビンダルー我流レシピついに確定

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ようやく,求める味に近づきました。酸っぱくて辛い植民地の遺産。奇妙なカレーです。

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標記の件ですが,何が『ついに』なのかさっぱりお分かりにならない方が多いかと存じます。
むべなるかな,実は当方,ひそかにとあるお料理のレシピを試作し続けてきておりまして,このたびようやく『これ』というレシピに達した,という意味での『ついに』でございました。
手前勝手な盛り上がりで申し訳なく思っております。

さて,今回我流レシピが確定いたしましたのは,『ビンダルー』。
インドはゴーン地方に伝わる,変わったカレーでございます。
こちら,植民地がおお流行りの時代,ポルトガルの管理下にあった地域であるらしく,
それゆえインドの他の地方とは異なる料理文化があるようで,
このカレーなどはその最たるものかと思われます。
なにせ,豚肉を使うことがある,すっぱい,といった奇妙な特徴のあるお料理です。

以前,本ウェブログで炊き出し用にアレンジしたビンダルーをご紹介いたしましたが,
すっぱくさわやかなので夏向きのメニューかもしれません。

今回は,炊き出しから離れ,当方が思うビンダルーの味になんとか近づいたレシピのご紹介です。
安くて簡単,といった概念からは無縁のものだとご承知おきください。
とはいうものの,大して面倒でも高価な材料が必要なわけでもございません。

ビンダルー,と申しましてもいろいろございますが,
当方が目指すのは,以下のコンセプトに沿ったものでございます。

1)豚肉を使う
2)イギリスの安いインド料理店で食べられるような,異国チューンされたもの

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くつしたポークビンダルー 4~5人分

<材料>

豚肩ロース肉 500グラム
トマト缶 2缶
マスタードシード
サラダ油

>マリネ用
たまねぎ 2個

シナモンパウダー
クミンパウダー
マスタードパウダー
以上は同量・多めに

黒コショウ
クローブパウダー
以上は少なめに


黒砂糖

酢(穀物酢)

<作り方>
>前日
・一口大に切った豚肩ロース肉に少量の塩をもみ込んでおきます。

・玉ねぎをすりおろすか,フードプロセッサーでピュレにします。
・そこにマリネ用スパイスと調味料を入れ,『甘酸っぱい味』に仕上げます。
・マリネ液の中にお肉を入れて良くかき回し,ラップなどで蓋をして冷蔵庫で一晩寝かせます。

>当日
・お鍋に油を敷き,マスタードシードを適宜入れます。カレースプーンにごく軽くひとさじ,くらいでしょうか。
・弱火にかけ,マスタードシードがぱちぱち言い始めたら,マリネ液に浸かったお肉だけをまずは炒めます。
・表面が白くなってきたら,残りのマリネ液をすべて入れます。
・トマト缶を足し,蓋をしないで小一時間煮こみます。
・最後に酢・塩・砂糖で好みの味に整え,出来上がり。

甘酸っぱく,マスタードの辛みと黒コショウの辛みが利いていて不思議なお味。
カレーか?いや。カレーか。いや?カレーか?
…と悩みながら食べるのがおいしいものでございます。
ご飯の方が合うと思うのです。

個人的に,イギリスのPATAK’s のビンダルーソースがおいしいなあ,と思うのですが,
日本で売られていることがほとんどなく,再現してみたいなあ,と思ううちにそこから離れ,
当方好みのビンダルーの追求へと目的がずれていった…というのがこのレシピにたどり着くまでの経緯です。
女性週刊誌風に言うと,こうなりましょうか。
わたしの身体の上を通り過ぎて行ったカレーたち。