今回のメニューは,この一皿さえあれば,飢えたスタッフさんたちもたちどころに腹をくちくさせて黙り込むという,いわばはらぺこ特効薬のアメリカ料理です。
一つは,ド定番の家庭料理。
そしてもう一つは,アメリカ南部料理の名付け合わせです。
マカロニアンドチーズ
材料 20人分程度
マカロニ 800グラム~1キロ (エルボーマカロニだと雰囲気が出ますが,どんな形のものでも結構だと思います。
100円ショップに行けば400グラム一袋のものが調達できましたし,量販店ならば800グラム一袋が198円でした。)
牛乳 500ミリリットルパック 一本
シュレッドチーズ 500グラム
小麦粉 50グラム
サラダ油
塩
<前日の作り方>
・大鍋にサラダ油を入れ,小麦粉をふり入れてから火にかける。
・全体が収拾がつかないくらい固まってから,不意に滑らかになるまで根気よくヘラなどでかき混ぜ続ける。
・滑らかになったルーに少しずつ牛乳を足しては混ぜ続け,ダマにならないように気をつけながら溶きのばす。
・ルーの中にシュレッドチーズを入れて混ぜ合わせておく。
・「あ。しょっぱいかな?」というくらいの加減で塩を入れた湯でマカロニをゆでる。
・ゆで上がったマカロニをチーズソースの中に入れてよく和える。
・冷めたら皿ンラップで蓋をして,移動させてもこぼれないようにしておく。
<当日の供し方>
・温めた後,お皿に盛ってスプーンを添える。
ボイルドグリーン
材料 20人分程度
ベーコン 500グラム(比較的安いショルダーベーコン切り落としを良く用います)
大根の葉っぱ 1キロ
キャベツの一番外側の葉っぱ 1キロ
塩
水
酢
タバスコ
<前日の作り方>
・大鍋に,ベーコンと適当に刻んだ葉っぱを入れ,水をひたひたに注ぎます。
・中火の弱火にかけ,焦げないように水がなくなって野菜がくたくたになるまで煮ます。
・最後にうすめに塩味を付け,お酢を垂らして出来上がり。
<当日の供し方>
・温めたボイルドグリーンをお皿に盛り,好みでタバスコを適宜振りかけていただく。
濃厚なグラタンのようなチーズクリームソースに包まれた柔らかめのマカロニは,
なんだか安心感のある優しいこってり味です。
何よりも,腹もちが良い上に満足度が高いのが魅力です。
しかしこれだけだと胸やけしたり飽きてしまう向きもありますので,
そんなときにはボイルドグリーン。
ベーコンの油と燻製香がまんべんなく行き渡り,くたくたに煮られた葉野菜は,甘みが増すだけでなく,
緑の香りが少しお茶っぱを想起させる香ばしさに変わってさっぱりおいしいです。
このボイルドグリーン,本来は南部風フライドチキンやビスケットオングレイビーなんかの付け合わせに使われるようですが,
どっこいご飯にかけてもなかなかおいしいものだと思うのです。
野菜は葉っぱ野菜であれば何でも良い気がしますが,
キャベツだけは外側の葉っぱでないとどうも甘すぎる印象がありました
特にマカロニアンドチーズは,アメリカらしくぐでんぐでんにゆでられたマカロニの柔らかさがおいしいお料理ですので,
前日に作っておいてもまったく問題の無い食感。
この腹ぺこ特効薬,少しの勇気を持って臨むことで,うまくすると猛烈に食材費を安く済ませることができます。
予算些少なロケに,
規模の小さな自主撮影に,
給料前のご夕食に。
ぜひおためしください。
ただしマカロニアンドチーズは食べ過ぎるとものすごくおなかで膨れるうえ,腹もちが極端に良いので,
特に動きまわるロケの時にはそこそこおなかが一杯になったところで止めておくのがコツだと思われます。
さすがアメリカ。