実はお得なフランス料理

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ようやく涼しさを感じないこともなくなってきた北海道。
この地は夏も短いので,夏野菜の旬もあっという間に過ぎて行きます。
個人経営の八百屋さんには,黒ずむくらいに青々として,あちこちが赤く熟しかけたピーマンだとか,
不格好に大きく膨れて崩れかけたトマトだとか,
ヘチマくらいの大きさになったズッキーニなどが投げ売りされています。
しかし何故か今年はなすだけが値崩れしないようですね。
でも高ければ,使わなければよいのです。

これらの野菜を使わない手はない。
なし崩しに,今回はフランス料理を炊きだすのです。
しかも,2品。
実をいえば,どちらか一方だけだとバランスがとれないメニューなのです。

おフランス炊き出し その1

ラタトゥイユ 10人分前後

トマト 5~6個 (崩れかけがお勧め)
青ピーマン 2~3袋
ピメント(カラーピーマン) 5~6個(どちらかというと,量販店の『お値打ちコーナー』に,30円くらいで転がっている確率の方が高いかもしれません。)
ズッキーニ 大きいもの 3本(大きくなりすぎたやつがおすすめ。なければきゅうりでいけます。)
なす(安ければ使いますが,今年は高いのでパスしました。)
にんにく 2かけ


オリーブ油(100円ショップで購入)

<前日の仕込み方>
・全ての野菜を適当な乱切りにします。
・大鍋にオリーブ油とにんにくのみじん切りを入れ,香りが立ってきたら野菜を全部ぶちこんでかき回し,油をまわします。
このとき,塩を一つまみ入れると野菜から早く水分が出てくるのでかき混ぜやすくなり気がします。
・野菜がしんなりしてきて水分が出始めたら,弱火にして蓋をし,蒸し煮にします。
・好みにもよりますが,ピーマンがぐずぐずになるくらいなのが個人的には好きです。
・蓋をあけて火を少しだけ強め,水分をあらかた飛ばしたら塩加減をして出来上がり。
・仕上げにオリーブ油を人回しします。
・粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やしておきます。

<当日の供し方>

1)温めてトーストに乗せる
2)温めてゆでたスパゲティに絡める
3)冷たいまま
などのいろいろな手がございます。お勧めは,
温めてご飯の上に乗せ,生煮え卵(白身が固まって君が半熟よりやや柔らかいくらい)を乗せ,
醤油を人たらししてかき回して掻きこむ食べ方です。

野菜の甘みが煮詰まって,オリーブ油と相まってとても濃厚な味になります。
特にピーマンの渋い苦みが後を引きます。
醤油をたらすと意外にご飯に合うのもポイントだと思います。

これだけでも一品にならないこともありませんが,
バランスをとるためにお肉を添えることにいたしましょう。
これまた,フランス田舎料理をがさつにしたようなものです。

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おフランス炊き出し その2

クック・オ・ヴァン 10人前前後

・鳥モモ肉骨付き 10本(冷凍の骨付きもも肉がお得で手に入りやすい気がします。経験的底値は,グラム19円(!))
・ソーセージ・もしくはベーコン 2パック(どちらか安い方を使います。燻製の豚肉うまみをつけるのが第一義。今回はソーセージを使いました。)
・赤ワイン 2瓶(400円前後で買えるのですね。下戸なので知りませんでした。この安さが,この料理を炊き出しに使おうと考えたきっかけでした。)

・塩
・こしょう
・サラダ油
・バター(高いようでしたらマーガリンでも。香りを飛ばさない用い方をしますので,大丈夫だと思います。)

※今回は,ごく簡単な料理ですが下ごしらえに一日かかります。ゆえに2日前からスタートです。
<前々日のつくり方>

・大きいボウルなどに鳥モモ肉を入れ,赤ワインをひとビンどぼどぼ注ぎます。
・まんべんなく混ぜて冷蔵庫で一日置きます。
(あるいは,大きめのビニール袋に鳥モモを入れ,ワインを注いでもよい気がします。)

<前日の作り方>
・ベーコンならば拍子木切り,ソーセージならば小口切りにします。
・鍋にサラダ油を敷き,ベーコンまたはソーセージを炒めます。
・香りが出てきたら,汁けを切ったモモ肉を入れて炒めます。
・表面に火が通ったら,付け汁のワインを全部注ぎます。
・もう一本のワインをひたひたになるまでそそぎ,弱火で煮詰めます。
・モモ肉の骨離れが良くなりましたら,塩コショウで味を調え,バターを落として火を止めます。
・あら熱が取れたら,冷蔵庫などで冷やしておきます。

<当日の供し方>
・鍋ごと温め,各自お皿にとっていただきます。
・ご飯にかけてもおいしかったです。

安い赤ワインだろうがなんだろうが,酸味とコクが柔らかい鶏肉に花を添えて華やかな味になります。
最後に加えるバター(かマーガリン)のおかげで,過剰な酸味が押さえられておいしいです。
ご飯に汁ごとかけて,ラタトゥイユと一緒に鶏肉をほぐしながら食べるのがおすすめ。

今回は室内での炊き出しでしたので,ぜいたくに2口コンロを使って2つの料理を温めることができましたが,
外ロケの時はラタトゥイユを冷菜として扱えば問題なくいけると思います。

さあ。いよいよ秋。
おいしい食材が安く手に入る旬の季節であり,炊き出し心がくすぐられます。