安い牛の効用

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ある日のこと,量販店にて牛の切り落としがグラム66円という驚くべきお値段で売られておりました。
今回はその素材ありきのお料理です。
筋の目立つ赤身中心の上に冷凍というシロモノでしたが,逆にだからこそうってつけの料理もございます。
肉を愛し,無駄なくおいしく調理する歴史を持つ英国ならではのレシピです。
身近な食材を豪華に見せる演出もばっちり。はったり料理の決定版ですね。

beefandguness_pie

ビーフアンドギネスパイ 10人分

牛赤身 500グラム程度(グラム66円!つまり一キロ660円!)
人参  2本
セロリ 1本
たまねぎ 2個
にんにく 1かけ
ジャガイモ 5~6個

牛乳
黒ビール 2本(これが味の決め手になるようです。黒発泡酒でもぎりぎりOKでした。)
コンソメキューブ
ウスターソース
砂糖

胡椒
サラダ油
小麦粉

月桂樹(なくても良いと思います。)

<前日の仕込み方>

・人参は輪切り,セロリはそぎ切り,玉ねぎはくし型,そしてにんにくはみじん切りにします。
・鍋に油を熱して,まず牛肉を炒めます。色が変わったら一度取り出し,代わりに野菜を全て入れこんで炒めます。
・野菜に油が回ったら,中火にして小麦粉をいい加減に振り入れて混ぜ続けます。
・野菜にやや厚めに小麦粉がまとわりついたら,黒ビール(発泡酒)を入れ,コンソメキューブを放りこみます。
ひたひたにならないようでしたら,お水を足します。
・沸騰したら牛肉を戻し,ウスターソース,塩コショウ,砂糖で味を調えて牛肉が柔らかくなるまで弱火ふたなしで1時間ばかり煮込みます。
・その間に,じゃがいもを洗って芽を取り,ビニール袋に入れて電子レンジで中に火が通るまでふかします。
・ふかしたジャガイモの皮をむき,ボウルなどに開けて牛乳と少しの塩とともにつぶす手滑らかなマッシュポテトを作ります。
・とろみがついて煮上がった鍋の中のものを耐熱皿にあけて平らにし,その上にマッシュポテトをすきまなくなすりつけます。
・表面に焦げ目がつくまでオーブンに入れて出来上がり。

<当日の供し方>
・屋外であれば,お湯を沸騰させたなべの上にすっぽりかぶせるように耐熱皿を置いて温めると具合よく温まります。
・大きなスプーンですくって皿に取っていただきます。

赤身だからこそのホロホロしたお肉と,煮詰まった黒ビールのカラメルのようなコクとかすかな苦み。
そこに野菜の甘みが絡まって充実のお味。
ジャガイモでおおってあるので,主食とおかずが一緒になったような感じの一品です。
オーブン料理は面倒くさいイメージがありますが,実はほったらかしにしておくだけで芯まで火を通してくれるので,
翌日食べる料理にはかなり便利な手段な気がします。
今回も,マッシュポテトの表面が焼き固まって運びやすく仕上がりました。