初日の夕食は,前日に作ったお手製インスタント食品を使用。これなら日持ちが効きます。
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以下は,2013年に書かれた記事でございます。
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現在撮影中の当方らくつした企画の映像企画,『キャプテンビビッド』。
舞台となるのは北海道の元炭鉱町,芦別市。
内容に関しましては,本ウェブサイトの『キャプテンビビッド』のページ,もしくは,facebookページ(アカウントをお持ちでない場合や,ログインなさっていない場合でもご覧いただけます。),
https://www.facebook.com/captainvivid
いずれかをご参照ください。
さて,この芦別という街,
当方らが拠点を置く札幌市から車で2時間半ほども離れた場所のため,撮影は泊まりがけで行います。
素敵なことには,今回の企画の舞台となっている施設がもと宿泊施設ということもあり,
炊き出しの環境としてはとても恵まれております。
施設内の拠点としてお貸しいただけたのが,こちら。
ホテル内のスナックブースを丸ごと使わせていただいております。
素敵な環境なのですが,飲料中心のスナックの性なのか,水回りは最低限の広さでございまして,
1回の食事で20人をまかなうには,少々手狭であることは否めません。
ここが,最大の工夫のしどころとなりました。
前回お話しした通り,今回の炊き出しはボウルなどの調理用容器類を一切持っていかないことをコンセプトにしております。
さて,前回は撮影1日目の朝と昼の食事をご紹介いたしました。
その折に,漠然と『なるべく手間がからないように気を使っている』旨をちらりとお話ししましたが,
具体的にはコトはもっと複雑です。
次の食事のことも考え,いかに洗い物を少なくするか。
かつ,限られた調理器具でスムースに次の準備ができるか。
このことを考え,そして最前提としてスタッフ・キャストのみなさんのモチベーションを高める内容にできるか。
泊まりがけの場合の炊き出しのメニュー構成は,上記要素を組み合わせて出来上がる,一種のパズルのようなものだと常々感じます。
この後に控える深夜までにおよぶ撮影を考えると,翌実の朝食を仕込む時間の捻出が難しい。
さて,どうしようか?ここで当方,ある仕掛けを用意したのです。
それは,手ずから『インスタント食品』を作るというもの。
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夕食 20名弱
1)即席ドライカレーの素
※これのみ,前日に仕込んでおく。
<材料>
ひき肉 1・5キロ
たまねぎ 大8個ほど
セロリ 大1株
ピーマン 1ダースほど
レーズン 500グラム
トマト缶 4缶(業務用の大缶が手に入るのならば,若干お得です(800グラム缶))
カレー粉
黒コショウ
ケチャップ
ウスターソース
塩
・野菜およびレーズンををすべてみじん切りにして,油を敷いたお鍋で炒めます。
・野菜がしんなりしてきたら,ひき肉を加え,さらに炒めます。
・ひき肉にしっかり火が通ってぽろぽろになったら,カレー粉を入れ,炒りつけるようにして炒め続けます。
・カレー粉の香りが立ったら,ケチャップ,ウスターソースを加え,蓋をして蒸し煮にします。
・しばらくしますと,野菜の水分で水気が出てまいりますので,蓋を開け,塩・黒コショウを多目にふり,煮詰めていきます。
・水気がなくなり,全体的に味噌のように硬くなったらカレー粉を一振り。かき混ぜて出来上がり。
(この時には,ぎりぎり塩辛くて食べられないくらいに仕上げておきます。)
・粗熱を取ってからビニール袋(二重がおすすめ)に入れて冷蔵庫で冷やしておき,当日は鍋にあけて水とコンソメキューブを加えて煮ほどけば,できあがり。
2)水菜と万能ねぎのおかかサラダ
・ミズナと万能ねぎを,小指の長さくらいにざくざく切ってビニール袋に入れます。
・鰹節を上から振り,塩。醤油・レモンを回しかけます。
・普段はごま油をまわしかけますが,
今回は,昼のバジルチキンで余った鳥皮を刻み,ホットプレートで焼いて油を出したものを仕上げにかけ,混ぜ込みました。
・最後にビニールごと揉み,良く混ぜて出来上がり。
3)ごはん
4)バナナヨーグルト
ドライカレーは,前日仕込みで当日の調理負担を減らしましたが,
そのために味付けと煮詰め度合いをより強くし,『素』に仕上げたのがポイントです。
そのまま食べると辛くて塩辛いペーストですが,水やスープストックを加えてほどくとたっぷり刻んで入れたレーズンの甘みが出てきて,
カレーらしくなります。
こちら,もちろんお勧めは致しませんが,経験上常温では3日おいても大丈夫でしたし,
冷蔵しておけば1週間はもちました。
しかし,早めにいただくに越したことはございませんね。
ミズナのサラダは,今回鳥皮を焼いて滲みださせた鶏油を使ってみましたが,
特に,油を出し切りカリカリになった鳥皮がいいアクセントとなってくれました。
やはり,野菜があると胃と舌がほっといたしますね。
ドライカレーを前日仕込みにしておくことで,夕食の準備をしながら翌日の朝食の仕込みをすることができる,というわけでございます。
ですから,この後,25時過ぎまで撮影が続きましたが,その後に次の日の朝食の仕込みを行なう手間が省けました。
次回は,2日目の様子をお送りしますね。