アダルトVRエキスポ2016に出展いたしました


最新の技術による最新のエロの祭典。台風迫る東京の展覧会に参加いたしました。
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去る2016年8月27日土曜日。
都内某所にて開催されましたハイテクエロの祭典『エロVRエキスポ2016』に出展してまいりました。

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札幌でイベント制作をされておりますドラクエ企画様が5年来続けていらっしゃる18歳未満入場禁止の展覧会『下品で最低』展。
名前の通りのコンセプチュアルな展覧会ですが,こちらに何度か作品を出展させて頂いたご縁から,
このたび本エキスポ・ドラクエ企画様の出展ブースにて,くつした企画の作品を展示させて頂いた,という次第でございます。

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こちらは6階建てのビルの各フロアに,リビングルームから教室,果ては監獄から電車の車内まで様々なシチュエーションのセットが揃っているスタジオでございます。
色々な意味でご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
当方らが頂いた場所は,リビングルーム。その隣にはベッドルームや電車内のセットがあり,なんだか不思議な密度の高さです。

9時に現場に到着し,届いた荷物を紐解いて一通り準備したところで,不意にプレスの皆様がいらっしゃいました。
海外からの取材陣や企業の方々もブースを訪れてくださいました。
海外からの方はかなりの確立で『VR関連の企業』『VR映像の買い付け』と名乗っていらっしゃいまして,(主に視覚的な)VRという分野の急速な浸透を感じさせました。

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3時間強に及ぶ報道陣向け開放の後,いよいよ一般の方々のご入場。
お客様は,後でお聞きしたところによりますと入場者数制限があったため抽選制たったとのこと。
しかも倍率は5倍を超えたといいますから,その注目度の高さが伺えますね。

こちらのエキスポ,やはりメインは視覚を利用したVR技術でございました。
それを生かした,主観視点で女性が性的に迫ってくる様を味わえるシステムが,いくつものバリエーションで企業・サークルから出展されておりました。
もはや『ゴーグルをかけると様々な女性が挑みかかってくる展覧会』と言っても良いかもしれません。
そのうちの一つを体験させていただきましたが,当方の股間に顔をうずめて艶っぽくがんばっていらっしゃるCGIの女性を回り込んで眺めてみると,それに応じてしっかり側面や後頭部まで確認できるのは,やはりVRならではの衝撃でございました。

しかし一番驚きましたのは,『音』の威力。
耳元でささやく,股間の辺りでつぶやく。視覚優位なタイプのVRにおいてはむしろ,聴覚であるとか,振動覚などの下位感覚であるとかこそが,説得力の底上げにつながっていくのだろうな,ということをひしひしと感じました。

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個人的に大変面白く感じたのは,『音の信号を振動に変換するオナホ』。
ブースではアダルトビデオの音声を例示しておりましたが,つまるところこれはあらゆる音声信号を股間への刺激に変換できるわけですから,これは大変に興味深い。
音楽から川のせせらぎまで,全ての音を『男性性器にとって気持ちいいか否か』という二元論で分類できるようになったわけです。
また,アナウンスやモールス信号などを振動に変えて股間に流すことで,股間で情報通信ができる能力を生み出すことができるかもしれません。
なんの役に立つかは分かりませんが。

このように,個人的には,視覚優位のVRの精度を高めて映像を『体験』へと変えていく,という方向性よりも,
性欲充足を追究して行った結果,本来想定しなかったような奇妙な方向へのブレイクスルーを生み出すポテンシャルを持った(あるいは持ってしまった)技術に大変魅力を感じました。

もちろん,本エキスポで主流だった視覚優位のVR技術もまた,大変面白い可能性をはらんでおりますね。
技術がこなれていくことで,一人一人が自分自身のためだけの性的な『理想宮』を生み出すハードルがぐっと下がることになるのでしょうから。
近い将来にエロVRのフォ-マットがある程度固まり,映像部分を自作するための環境が整ったとき,どれだけ人は自身の個人的な欲望の世界を具現化できるのか。
つまりどれだけ人は創造的に歪んでいけるのか。
とても楽しみです。

失礼。お話が少々ずれました。

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…などと偉そうに申したものの,
翻りまして当方らのブースはといいますと,ご覧の通り割とローテク。
しかも悪いことには,他の出展ブースは最新技術を注ぎ込んで『いかに男性のおちんちんを大きくするか』に真摯に取り組んでいらっしゃるのに,
くつした企画が展示しました2つのゲームは,えっちな要素の殆どない,単に『性的に下品』な主題の作品です。

性的衝動の滑稽さやほほえましさ,そして抗いがたい業の深さ,つまりは『おかしみ』を作品にして楽しんでみようという,エロから距離を置いて眺めたようなコンセプトだったため,
新時代のエロを求めて来場された方々に叱られたり,とうとうと諭されたりしたらどうしよう。実は結構不安でした。

しかしふたを開けてみましたらばさにあらず,他の最新技術を堪能されたその後に。あるいは濃厚なVR体験の端安めに。
息抜きのような位置づけで楽しんでくださる方にいらしていただけましたので,大いに救われました。ありがとうございます。
Gehin_games

くつした企画の出展作品は2つ。
男性器を使ってキャラクターを操作してゴールに向かうゲーム『オチンチンタテール』と,
女性器を使って精虫を操作し,膣と子宮の中を探検して卵子に突入するゲーム『バトルニンカツ』です。
(※本エキスポでの出展写真を撮り忘れてしまいました。上の画像は全て札幌で出展したときのものです)

特に,女性器を用いて遊ぶ膣トレビデオゲーム『バトルニンカツ』は,あろうことか女性に好評。
『これ,売りましょうよ!』と熱く推してくださる方もいらっしゃいました。ありがとうございます。

これら作品を含む『下品で最低展』ブースも,各出展物の解説に笑いの絶えない盛り上がりぶりを見せておりました。

最新のVR技術を基盤に咲き誇るエロVR見本市。
その中に唯一混じりこんだ展覧会の展示物。
そんなねじれた違和感を,当方もうんと楽しませていただきました。

最後に,今回の機会をくださいましたドラクエ企画様に,御礼申し上げます。