札幌芸術祭きどり2014 その1  はじめに

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札幌芸術祭きどり2014 その1
Sapporo Art Festival Affectation 2014 Part1

はじめに
introduction

私たちは,不合格です。

思えば予兆は,早くからありました。
10年を越え,札幌を基点に様々な媒体を制作してまいりました,くつした企画。
その活動当初から,違和感は存在していました。
確かに,映画祭入賞の栄誉を受ければ,司会の方に『何と言っていいのか分からない』と解説を放棄され,
また美術展出展の光栄を浴すれば,キュレーターの方に『これはどう説明すればいいのかなあ』と半笑いでつぶやかれてはいたのです。

それを放置して幾星霜。
気がつくと我々は,ほとんど病的といっていい偏食に身を苛まれていました。
この地で観る映像,聞く音楽,出くわす祭り,目にする文字。そのほとんどが,自分たちにとって『毒』として作用するようになってしまったのです。
それは決して社会の責任ではなく,そこまで感覚や趣味嗜好をねじくれるに任せてきた,我々自身の責任。
病の進行を停めることをしなかった私たちの問題なのです。

もはや,私たちは輝かしい進歩を続けるこの街・札幌が生みだし続ける,ほとんどの文化・媒体を受け付けることができなくなってしまいました。

これが,私たちのカミングアウトです。

現在懸命な社会復帰訓練を行ったり行わなかったりしている私たちですが,その努力は想像を超えて厳しく,
社会の表舞台はあまりにまぶしいことを実感しています。
そこで,ほんのひと時でいいから逃げ出したい,自身の大好物であるものたちだけに囲まれたひとときを過ごしたい。そう思うに至りました。

私たちだけではない。我々はそう信じたい。
この札幌に,私たちを同じ病を抱え,社会への復帰の努力を続けている方々がおられるに違いない。
そういった方々と手を携え,社会復帰を目指す前の,最後の毒晩餐。
私たちがこれから開こうと考えている芸術祭気どりは,そんな不合格者のための宴です。
We, “Kutsushita Planning”, is an indie multi media production. It is hard to say, but we have serious “unbalanced diet”.
We can’t “eat” most of the great creations of glorious cultural city Sapporo such as movies, novels, stage plays and music.
It’s not anyone’s fault but ours.Our biased taste has caused such a serious situation.

Thus we are dropouts.

The art exhibition that is filled by the works we love.
This art festival is a banquet for dropouts from mainstream.