北海道は,もう4月になると言うのに未だ雪が深く,やるせない気持ちでございます。
こんな時の寒さは,身体的なつらさだけでなく,心もふさぎこみがち。
こんな時の外ロケなど,考えただけでペンディングにしたくなります。今年度は幸いにしてありませんが。
そういう時には,温まるもの。
シチューなどのルーを使うものは少々痛みが恐ろしいですが,豚汁あたりは定番でしょうか。
北海道だと,糠にしんや塩鮭のあらを使った三平汁が安くてお得。
しかし,もっとシンプルで,脂の乗り切った荒くれ者のスタッフたちを黙らせるメニューがあるのです。
なお,今回の分量に違和感を感じられるかもしれませんが,このバランスこそが,この料理を料理たらしめているのでございます。
麻油鶏(まーよーじー)
15人から20人分
・骨付き鶏モモぶつ切り 2~3キロ(ブラジル産の冷凍ものが安定して安うございますね)
・ひねショウガ 5から6塊(10塊くらいあってもよいと思います)
・日本酒 1.8リットルパック3本~4本
・ごま油 300グラム入り2本
・塩
<前日の作り方>
・ショウガは薄切りにしておきます。
・大鍋に胡麻油を1本入れて熱し,ショウガをすべて炒めます。
・ショウガの回りが少し焦げた頃、鶏をすべて入れて表面に軽く火が通るまで炒めます。
・日本酒を全部入れ,お酒が抜けるまで煮ます。相当お酒臭くなり,また場合によってはガス警報機が鳴ったりもしますので,
換気を十分にされることをお勧めします。
・お酒の苦味が消えたら,残りのごま油を全部注ぎ入れ,鶏の骨離れが良くなっていたら出来上がり。
・粗熱を取ってからしっかりラップをかけ,こぼれないようにしておきます。
<当日の供し方>
・鍋を温め,適宜カップによそいます。
・好みの味に塩を振り,すすったり,ご飯にかけたりしていただきましょう。
呆れるほど大量のごま油とお酒だけで煮るのと,
煮る時に絶対に塩を入れないのだけが数少ないコツ。
お酒のコクと鶏のコク。そこにごま油のコクが重なりあい,芯から温まります。
お酒だけで煮るせいか,汁だけでも満足度が高い食べ物です。
さらに,ショウガが程良く辛みが抜け,サクサクとくわいの水煮のようなおいしさ。
これは台湾の冬の定番料理で,産後の肥立ちにも用いられる精の付くお料理とのこと。
大変美味しいお料理なのですが,
お酒が抜け切らないこれをふるまって,全然作業にならなかったことがありましたので,その点だけはご注意願います。特に当方のような下戸には,まさに危険。