カン詰め撮影の恐怖

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野外のロケはなにかとつらいもの。
雄大な自然の中で蚊などの虫たちと戦いながらの撮影も大変ですが,
街中で通行人の皆さんに配慮しながらの撮影もまた,心がすり減るものです。

翻って屋内はどうか。
特に,スタジオでセットを組み,それを用いて何日も何日も続ける類の撮影。
これもまた,閉塞感に満ちた,じわじわと意欲をそいでいく,別のベクトルの大変さをまた抱えている気がします。

そんな時には炊き出し。
食事の時ぐらい表に出て,鉄板をじゅうじゅういわせてお肉や野菜を焼きつけ,気分転換を…
しかし,それができるような場所なら,まだよいと思うのです。
スタジオ周りは閑静な住宅街だったり,ビルに囲まれていたり。ままならないことこの上ありません。

そんな外にも出られない類の『カン詰め型ロケ』の時の炊き出しには,
『遊戯性』を持たせてみたら,現場の空気がいい感じにほぐれるかもしれない。
そう思って作ってみたのがこちら。
つまり,口に入れる前に各々がひと手間かけなくてはいけない食べ物を用意して気分を変えてみるという,そんな演出です。

『煮込みチリドッグ』15~20人分
・背割りコッペパン 4袋
(5本入りで安いときには130円前後で,通常は198円で売っています。)

・ソーセージ 1キロ
(冷凍のものが安いです。経験的底値は1キロ480円。)
・合びき肉800グラム
(冷凍のものを買うと安いです。経験的底値はグラム68円。)
・トマト水煮缶 4缶
(98円前後。量販店での経験的底値は78円。)
・インゲン豆水煮缶 2缶
(105円前後。100円ショップで見つけられたらラッキー。なくてもよいですが,腹もちが違います。)

・チリパウダー ひとビン
(一びん340円くらい。これが一番高いかもしれません。)

・玉ねぎ 3~4個
・ピーマン 2袋
・コンソメキューブ 2~3個
・ケチャップ
・ウスターソース
・サラダ油

・プレーンヨーグルト 1パック
・キャベツ 一個

<前日の作り方>

1)玉ねぎ・ピーマンはあらみじんに切ります。
2)サラダ油でみじん野菜を炒め,しんなりしたら合びき肉を冷凍のまま入れます。
このとき,チリパウダーをひとビンの3分の1ほどくわえてなじませます。
3)合びき肉の色が変わったら,コンソメ・トマト缶・インゲン豆缶(汁ごと)を入れ,煮込みます。
4)チリパウダーの残りとケチャップ,ウスターソースで味を調えます。
※隠し味は砂糖と酢。割と思い切りよく入れると,それっぽい味になります。
入れる場合は,十分火を通して酸味を飛ばしてあげた方が万人向けのようでした。
5)味が整い,すこしに詰まったら,ソーセージを冷凍のまま入れます。温まったら出来上がり。
自然に冷ましておきます。

6)キャベツを千切りにし,大きなビニール袋(買い物袋など)に入れ,少しの塩と少しの水とを入れて軽く口を結びます。
7)電子レンジで温め,しんなりしたらできあがり。自然に冷ましておきます。
…これで,前日までの仕込みは終了。

…つまり,チリビーンズでソーセージを煮込んでしまう,という感じです。

chili01

<当日の供し方>

1)なべを温め,温まったらそこにおたまと大きめのフォークを添えておきます。
2)パンとしんなりキャベツ,ヨーグルトを並べておきます。
3)それぞれにパンと紙皿を渡します。

あとはなべの中から自分でソーセージを探りとり,パンにはさみ,好きなだけチリをかけ,
ヨーグルト(チーズは高価なのでその代わり)やしんなりキャベツ(レタスは値段が安定しないので)を乗せ,食べます。

この,『ソーセージを探す』『分量を調整する』という行為が,子供の泥遊びのような遊戯性を持っており,
結構な気分転換になります。
『紙皿を渡す』ところもポイントで,このおかげでパンの上に大胆にトッピングをするという遊びの余裕を作ってくれたようでした。

chili02

豆が入っていると,パン抜きでも食事として通用するので,融通も利きます。
通常のチリビーンズよりも,豚肉が入っている分コクが強くてヘビーですが,
ソーセージのスモーク香が汁に溶け出すため,意外にあっさり食べられます。

なお,くれぐれもグリーンバックの近くで食べたりはしないようにお願いいたします。
きれいな補色のマーブル模様がついたりします。ぎゃああああ。