当方,いまさらながら白状いたしますと,そもそもが料理をするのが好きな性分でございます。
それゆえ,興味を持った料理は作ってみたいし,それが経済なものであれば炊き出しにもしてみたい。
興味を持つ方向は千差万別,人それぞれ志向性というものがございまして,
当方の場合は,『文化の混交によって生まれた料理』に強く惹かれます。
例えばフランス料理のブイヤベースをもとに,ネイティブインディアンやスペイン人,
南アメリカの文化がまじりあってできたといわれるアメリカ料理,ガンボなんかがその筆頭でございます。
いずれ炊き出し例を御紹介したいと考えておりますベトナムのフランスパンサンドウィッチバインミーもそうですし,
今回ご紹介するお料理もまたしかり。
『ビンダルー』というこのカレー,イギリスではお安い部類のカレーとして親しまれているようですが,
カレーにしてはずいぶんと不思議な料理です。
まず,ポークで作られていることがとても多い気がします。
ヒンドゥー教の国,インドの料理なのに?
しかも,とても辛い上にすっぱいのです。
どうやらこちら,南インドの一部だけを植民地にしていたポルトガルの料理がその地域にわたってできたものなのだそうです。
珍しい上にさっぱりとおいしいので,
一つのことにじっくりと取り組んだ挙句煮詰まった現場の炊き出しなどに良いのではないでしょうか。
本当はスパイス使いもすこし珍しい感じなのですが,
100円ショップで手に入る材料だけで再現できましたのでここに御紹介いたします。
あくまで手抜きバージョンですが…
そして今回も完成した後の画像を撮る前に,料理は全て胃の腑に収まってしまいました…
手抜きポークビンダルー 5~10人分
<カレーの具>
豚肉 角切り 1キロ
トマト缶 2缶
コンソメキューブ 1個
塩
<手抜きビンダルーペースト用の材料>
玉ねぎ 5個
カレー粉 1ビン
コチュジャン 1チューブ
粒マスタード 1チューブ
チューブにんにく 2チューブ
チューブしょうが 1チューブ
シナモン
黒コショウ
すし酢
<付け合わせ>
卵 12個入りひとパック
<前日の仕込み方>
・玉ねぎはすりおろすか,フードプロセッサーでネクター状にしておきます。
・手抜きビンダルーペーストの材料を鍋に全て空け,良く混ぜます。
・味付けの方向性としましては,
1)ほとんど甘みはない
2)すっぱさはトゲはないけれどもしっかりとある
という感じで整えられたらようかな,と思います。
・よく混ざったら角切りの豚肉を入れてよくかき混ぜて,10分くらいほおっておきます。
・10分後,鍋を火にかけてかき混ぜながら豚肉を炒め煮にします。
・豚肉の表面が熱で固まったら,トマト缶とコンソメキューブをを入れ,水をひたひたになるまで入れます。
・40分くらいして,豚肉が軟らかくなったら塩で味を調えて出来上がり。
・自然に冷ました後,鍋にラップをかけて冷蔵庫などで保存しておきます。
<当日の供し方>
・当日朝(現場に入る前)に,ゆで卵を作っておきます。
・現場でカレーを温め,炊いておいたご飯にかけ,各自ゆで卵を添えて食べます。
本来とてもとても辛いカレーなのですが,
今回は控えめに作ってみました。
シナモンの甘いような香りとすっぱさ,黒コショウのきりりとした辛さが特徴的。
この作り方ではできる限りいい加減にできるようにあれこれ試してみましたが,
特に粒入りマスタードは必須かと思われます。
辛いのが苦手な向きには,ゆで卵をつぶしながら食べると良いかと思います。